フィリップ・ドゥクフレ/DCAの『新作短編集』は、コンテンポラリーダンスが描くショート・ストーリーの短編集。2017年5月、世界的に有名な振付家のフィリップ・ドゥクフレのもと、彼の主導するカンパニーDCAにより創作されました。
各ダンスがそれぞれ異なる物語を紡ぎ、そのエッセンスを描き出すヴィジュアル・ワークが必要となります。「短編集へのこだわりは、ロックンロールからきています:長く続くと色褪せてしまうような、短く、効果的なトラックからじわじわと生じるパワーをこめたいです」とドゥクフレ氏。「ダンスというのは語るタイプの表現よりも詩的な構成が多く、一つの舞台でさまざまな世界観を彷徨う楽しみを味わっていただくためにも、枠組みが内容に準じる必要がある表現です。そのため、こうした短編形式がとても効果的だと感じています。」
照明デザイナーのベゴニャ・ガルシア・ナヴァス女史は本公演の照明ワークの中で各ダンスシーンに彩りを補うべく、RJ社のDalis 860 LEDホリゾントライトを20台採用。巨大な舞台奥のホリゾント幕を鮮やかに染め上げました。同時にRJ社のプロファイルシリーズ 613SX, 614SX, 713SX, 714SXも採用。RJ社製フォロースポットも3台愛用し、各公演場所によって使い分けています。「フランスではRobert Juliat製品をよく使います」とナヴァス女史、「RJ社製の照明は信頼性が高く人間工学に基づいていて、実用的です。照度もとても高クオリティです。」
『新作短編集』で、ナヴァス女史はDalis860 LEDホリゾントライトをグリッドに10台、舞台上に10台、公演会場によってバックステージから最低40/50cm離し、設置しました。こうした位置からDalisは高さ6.5mの舞台幕を均一に、スムースに染め上げました
ナヴァス女史がホリゾントライトを採用する際にインスピレーションを受けたのは、2色のカラーをバックに据えたMark Rothkoの絵画とのこと。パステルカラーからビビッドカラー、くっきりとした光からふわりとした光まで、出力の高いDalisの採用によりカラーがダンサーのボディを縁どり、鮮烈なシルエットが浮かびあがり、非常にドラマティックなライティングが実現しました。
ナヴァス女史はさまざまな照明を試したのちにDalisを採用。
「最初は建築用LED灯体を採用し、そのあとカラーフィルターを装着したタングステン灯体を60台ほど試したのですが、満足のいく結果は生まれませんでした。」とナヴァス女史。
「LED灯体もいろいろと試した結果、RJ社のDalisこそ自分の探していたプロダクトだと気づきました。」
「Dalisに関するすべての側面ー色のクオリティ、滑らかさ、グラデーション、色のミックスーが、灯体リストの中で最も優れていました。カラーの選択肢はもちろん重要な要素でしたが、購買に繋がった最重要要因は、パワフルな高出力性と照度でした。」
カンパニーDCAの舞台監督 Lahlou Benamirouche氏もDalisを絶賛する一人です。「オペレーターは皆Dalisに満足し、卓越したクオリティを認めています。Dalisは信頼に値する有能な機材です。ここ2年間この灯体を使ってきて、舞台監督に会う度におススメしています。褒目尽くせないほどこの灯体シリーズを気に入っているので、Dalisにとって完璧なフラッグシップだと思います 笑」
『新作短編集(2017年)』は2017年を通じフランス全土を巡業し、2018年4月に再びパリのシャイヨ国立劇場で再演しました。現在カンパニーは日本で公演中、彩の国さいたま劇場から公演を開始、北九州パフォーミングアーツセンターや琵琶湖ホールで公演した後、年末にかけてブラジルやロシアにも巡業する予定。
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